内部の湿気と汚れがカビを発生させる
多くの方がカーエアコンから発せられるニオイについて悩まれている事と思います。多くの方が車内では芳香剤や消臭剤を利用されていますが、では、カーエアコンの臭いの原因は何でしょうか？実は、その多くはカビや雑菌によるものです。カビの臭いや生乾きの衣類が雑菌により、不快な臭いが発生するといった経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか？
カビや雑菌は湿気や汚れがあるところに繁殖します。お風呂場をイメージして頂くと分かりやすいと思いますが、常に湿度が高く、適度な温度があり、壁面には人の皮脂や飛び散った石鹸類や、流し切れなかった汚れや洗剤等を栄養源としてカビが発生しやすい環境にあります。
実は、カーエアコンの内部はその環境に非常によく似ています。エアコンを使うと、冷却された空気が室内に送られますが、空気を冷却する部品がエバポレーターと呼ばれる熱交換器です。空気を冷やす事で水分が結露してエバポレーターに付着します。エバポレーターはダッシュボードの裏奥に設置されており、ケース内に収められています。エンジンを切ると、このケース内部は無風状態になりますので、結露した水分が乾かないまま放置されることになります。さらに、エアコン使用時には、車外の空気や、車内から様々なホコリや小さな虫等がエバポレーターに入り込み汚れが付着します。その結果、エバポレーターには、カビが大量に発生して臭いを発するようになります。
また、喫煙される方であれば、タバコの煙やそのニオイ物質がエアコン内部に取り込まれ、エバポレーターに発生した結露水に取り込まれ蓄積されることとなります。
カーエアコンのエバポレーターに発生したカビの状況です。すでにカビが目詰まりを起こすほどになっています
カーエアコンのカビ対策には徹底的な洗浄が必要！専門業者の技術と高圧洗浄で効果的に汚れを除去
では、カビが発生したら、又は発生させないためにはどうすればいいのでしょうか？多くの方は芳香剤や消臭剤によるニオイに対し、ニオイを匂いで誤魔化すといった方法をとられているようですが、これはカビや汚れを取り除く事は不可能であり根本解決にはなっていませんし、逆に様々なニオイが混ざる事でさらに悪臭を発生させ悪化させてしまう事も有ります。
ではどうすれば良いのでしょうか？もちろん、一番効果的な方法はカーエアコン内部の洗浄です。エアコンの洗浄とは、専用の洗浄剤を使いエバポレーターのカビや汚れを除去する作業です。
しかし、エバポレーター洗浄としてカーディーラーをはじめ、広く一般的に行われている方法は、エアコンフィルターを取り外し、この装着口部分からスプレーによる薬剤を吹き付け、エバポレーターまではファンの風に乗せて送り込むといった方法です。または車体下から、結露水を排出するためのホースから、スプレー缶の薬剤を流し込むといった方法です。この作業はDIYでも多少の知識があれば、ご自身で行うことも可能です、費用も数千円～1万数千円程度で、非常に安価ではありますが、その効果は消臭成分や芳香成分によるところが大きく、実際には肝心の汚れは殆ど落とせないのが事実でもあります。お風呂場の掃除を考えてください。汚れを落とすというのは結構大変ですよね。ましてや、洗剤を吹き付けるだけで、水を使って、洗剤と共にシッカリと洗い流さない事にはむしろ逆効果であることも容易に想像できるのではないでしょうか？残った薬剤に新たなカビが発生するといった結果を招くこともあります。
スプレー式の簡易洗浄を行った車のエバポレーターの状況です。白い樹脂のケースにも薬剤が飛び散り、さらに汚れが張り付く事で新たなカビを発生させてしまっています
しかし、空気の洗車屋さんでは、特殊工法により、エバポレーターに対し直接専用洗剤を吹き付けた上で、大量の水を使った高圧洗浄での濯ぎ洗いをおこなうことにより、汚れやカビ、雑菌を洗い流す事が可能です。
カビと雑菌は健康にも影響！カーエアコンの洗浄が重要なメンテナンス
カビ、雑菌は臭いだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。カビを放置すると、アレルギーや喘息などの呼吸器系の症状や、アトピーなどを引き起こすことがあります。また、エバポレーターに付着した汚れはエアコンの効率を低下させてエアコンの性能を損ねることもあります。そうなると、快適性の悪化だけではなく、燃費についても影響する可能性があります。
定期的な洗浄がカビ予防の鍵！
カーエアコンの洗浄は定期的に行うことが大切です。カーエアコンは新車でも2年程度経過すればカビが発生すると言われています。臭いが発生する前に早めに洗浄することが、最も効果的なニオイ発生の予防となります。カーエアコンの洗浄は、今や必要な車のメンテナンスの一環として考えることができます。車のエアコンを清潔に保つことで、快適で健康的なドライブを楽しめるようになります。