カーエアコンは内気循環?外気導入?

新型コロナ禍で注目される室内換気 CO2モニターの普及や車の換気対策にも注目

ここ数年の新型コロナウィルスの発生により、室内の換気が注目されてきました。飲食店等ではCO2濃度を測る測定器の設置も進んでいるようです。もちろんCO2濃度が高いとコロナウィルスに感染するというイコールの図式となる訳では無く、「新型コロナウイルス感染症のマイクロ飛沫感染を防ぐ上で、換気の重要性が強調されてきた。」→「飲食店における換気を徹底するために、二酸化炭素濃度測定器(CO2モニター)の普及などについて提言」といった事でした。(第4回新型コロナウイルス感染症対策分科会提言より)

口から出る飛沫が、ウイルスを飛散させている事を考えると、同様に人が呼吸することで発生するCO2の濃度が一つの目安となったのではないでしょうか?つまり新鮮な空気を取り入れることにより空気中のウイルスを減少させるといった点では効果が期待できるものと思います

換気が重要視されてきている現在ですが、家庭内においての換気にも気を付けておられる方は多いと思います。また、最近は”換気のできるエアコン”といった商品も発売され人気の様です

では、車の場合はどうでしょうか?換気のために窓を開けて乗っている方も有るかと思いますが、騒音の問題もあります。当然周囲には他の車も走っており、排気音やタイヤと路面の間で発生するロードノイズ等々といった音にあふれています。少しでも静粛性を上げるための一番手軽な対策は窓を閉める事です。また、窓を開けることによって、周囲の車からの排気ガスの侵入等の問題もあります。最近の車についてはNOx対策は進んでいるとはいえ、まだまだ心配な点があるのではないでしょうか?

車のエアコン設定

車のエアコンには内気循環と外気導入の設定があります。言ってみれば、家庭用エアコンではつい最近できた換気の出来るエアコンが、車には昔から設置されているのです。であれば、エアコンの効率の面から見ても、窓を閉め、エアコンの外気導入を積極的に使うべきであると考えます。

こちらは車内での空気の流れを図解したものです

車内の空気の流れ

エアコンの内気循環での使用時の空気は、運転席や助手席の足元からダッシュボード裏を通りエアコンフィルターを介しエアコン本体へ取り込まれます。

一方、外気導入時には、多くの車種はワイパーの付け根付近に外気の取り入れ口があり、エアコンフィルターを介しエアコン本体に取り込まれる流れとなります。(エアコンのファンが回っていない状態でも、外気導入時には走行風により空気は取り込まれています)また、車内の空気を排出しない事には新しい空気を取り入れることは出来ない為、リアバンパーで隠れた部分に排出口が設置されています。

ワイパー付け根付近のダクト部分から、外気を取り入れています。ここに枯葉等のゴミが有るとエアコン内部まで入り込みますので、ご注意下さい

内気循環時の空気の流れを見て頂くと、足元から空気を取り入れています。(足のニオイを気にされている方も多いと思いますが・・・)また、フロアマットについても、汚れやニオイの元となる物が多く染み付いている事も考えられますし、この付近にゴミ箱を置いておられる方も多いのでは?

一部の車種はエアコンフィルターが設置されているものの、外気用のフィルターのみで、内気についてはフィルターを通さない構造となっているものも存在しています。

車内のCO2濃度について

JAFのユーザーテストにおいて、車内のCO2濃度が3,000ppmを超えると、疲労感の増加、注意力の低下、眠気や頭痛を訴える人が増加するとのことですが、内気循環時には常に1,000ppm前後で有るのに対し、内気循環時には最大で6,770ppmに達したとの事。安全運転の面でも外気導入で使用するべきと考えます。

ならば、窓を開けて運転すれば良いのでは?と思われるかもしれませんが、先ほど示した図を見返してください。外気導入時にはエアコンフィルターを通し、ある程度の花粉をはじめとする汚れを取り除いた空気を車内に取り込むことが出来ます。(フィルターが完全にすべての汚れを取り除くことは不可能ですが)一方、窓を開けた換気では当然、汚れは一切取り除かれること無く車内に流れてきます。

カーエアコンは外気導入で使うべき

このような事から、カーエアコンは外気導入を基本として使用することをお薦めいたします。

トンネル内や、近くにダンプカー等の大型車が走っているといった場合にはどうしても、外の空気は汚れやニオイが気になります。そういった場合には、一時的に内気循環に切り替え外のニオイや汚れを取り込まない様にし通常は外気導入を基本とするべきです

エアコンの汚れやニオイが気になったら

今は多くの車にはエアコンフィルターが設置され以前と比べ、綺麗な空気でドライブすることが出来るようになりました。しかし、エアコンフィルターは万能とは言えません。すべての汚れを取りきる事は残念ながら不可能です。設置されているフィルターの周囲にはどうしても隙間が発生しエアコン内部まで小さな汚れが入り込む事となります。(隙間が無い作りであれば、交換時には抜き差しする事が出来なくなります)また、ニオイというものはフィルターをすり抜けてしまします。こういったエアコンフィルターをすり抜けてしまったものは、その奥にあるエバポレーターと呼ばれる部品にたどり着きます。

エバポレーターは空気を冷やしたり、除湿したりするカーエアコン本体です。エアコンガスを使いエバポレーターは冷たくなり、そこに風を通す事により空気を冷やしています。

コップに冷たい飲み物を入れると、周囲に水滴が発生するようにエバポレーターも常に水滴が発生し湿っている状態にあります。その水分に汚れが付いたり、ニオイの元が溶け込んだりする訳です。さらにはこの水分と、汚れが原因でカビが発生する事になります。するとエアコンからは嫌なニオイ(と共にカビの胞子)が吹き出す事になる訳です。これを解決するためには、エバポレーターを洗浄し汚れとカビを洗い流す以外には方法は有りません。

車のエアコンのニオイが気になる方、カビが気になる方、一度エアコンの洗浄をご検討されては如何でしょうか?

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